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東京都杉並区梅里、堀ノ内妙法寺の近くに「梅里公園」はあります。交通の要所、環状七号線から高円寺都営住宅を経た一角に位置したこの公園は、神田川・環状七号線地下調節池第一期工事の立坑発進基地として、東京都がこの一部を占用し工事を行ってきました。この工事の完了に向けて、従来の梅里公園を全面的に改造、復旧するプロジェクトが実施されました。
平成11年3月に、この公園が復旧されたことにより、約10年という長い期間、公園の大部分を閉鎖して行われてきた地下調節池の第一期工事は完成しました。復旧面積は影響区域を含め4,658.76m2とさほど広くはなく、すぐ近くの蚕糸の森公園と比較すると規模、知名度とも勝るとは言えません。 |
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しかし、隣接する真盛寺の雄大な高木樹林や風格ある鐘楼を借景に、子どもたちやお年寄り、あらゆる人たちにやさしい、防犯面を重視した見通しの良い広場空間を提供することを主眼に復旧されたこの公園は、すべてにおいて地域性豊かであり開放的な空間づくりがされています。
真盛寺との境に盛土境壁を設け、石積、遊水、各種ツツジや紅葉などの中高木での緩衝地帯を確保し、寺の樹林地との調和を形成するこの公園は、お年寄りや身体に障害を持つ人たちにも利用しやすい安らぎの場として、多くの工夫を凝らしています。段差の少ない緩やかな勾配、歩道は通行しやすい舗装、広場は全面に芝生をしつらい開放的空間を確保しています。公園内の主な施設としては、
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@車いすでも利用できる幼児用木製複合遊具の導入 A防災用井戸2基を設置し、生活用水として確保するとともに、水循環施設として水遊び用の水源に活用する B電動車いすでも容易に入れる車止めの導入、など。
なかでも防災用井戸ポンプ及び水循環ポンプの電源は、公園内に設置されているソーラー・システムによる太陽光エネルギーを利用した施設として注目できます。また公園南口地下には地下河川の立坑があり、地下河川の膨大な貯留能力を活用、消防庁は非常水源として確保しています。そうした意味からここ梅里公園は、都市住宅地における重要な防災拠点のひとつである、と言うこともできます。 |
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