情報誌「ネルシス」 vol.2 2001

P-36 アルミニウムという素材を考えよう!…鈴木俊彦、東海林弘靖
P-48 Product Message ― プロダクトメッセージ【シェルター】
P40-47
鳥海山のふもとに位置する矢島駅
由利高原鉄道矢島駅前広場(秋田県)
駅舎の2階から眺める鳥海山と駅前広場
上左/はっきりとわかりやすいサイン
上右/地元西目高校美術部の青木茜さんが描いた矢島町の案内マップ
下/明るいイメージのバス停
懐かしさを感じる駅舎にもマッチする現代的な駐輪場とバス停
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P41
 東北を代表する霊峰・鳥海山のふもと、由利高原鉄道の終着点矢島町は、平安時代に鳥海山の修験者によって開かれました。寛永17年には讃岐高松十七万石から移封された生駒高俊の城下町となり、関西風の行事が残る東北ではめずらしい町のひとつです。かつては1万人いた町民も現在は6,100人ほどになっていますが、由利南部にはTDK本社工場があるので、若い人が多く活気があります。
 国鉄矢島線の終着駅だった矢島駅は、15年前に国鉄の民営化に伴い旧国鉄から第3セクターである由利高原鉄道が引き継ぎました。駅舎は相当古く、
駅舎の設計は地元の設計事務所が担当。地元産秋田杉の集成材を使ってぬくもりのあるデザインになっています。駅舎2階にある会議室やホールは町民に貸し出され、展覧会やお祭りのリハーサルなどさまざまな活動に利用されています
何度も改修の話が持ち上がっていましたが、財源の不足からなかなか改修のめどがたちませんでした。
 平成11年に林野庁が「木造公共施設整備事業」を新設し、地元の材料を使って木造の公共建築物を整備するにあたって2分の1を補助対象としたことで、一気に改修への機運が高まり、平成11、12年度で駅舎を建て直すことになりました。総事業費が約2億3千万円(木造の駅舎)。その他に鉄道がホームを整備して約2,700万円がかかりましたが、町の持ち出しは全体の20%程度ですんでいます。
 建物が先行してつくられたおかげで、駅前広場への関心が高まりました。現在の歩道があるところまでは由利高原鉄道の敷地。その先が民有地で、製材所の廃屋や倉庫がならぶ景観です。「せっかく新しくなった駅舎から雄大な
鳥海山の姿を仰ぎ見たい」。そうしてできたのが広々とした駅前広場です。
 「駅舎から出たときに鳥海山を仰ぎ見る景観がどうしても欲しかった。あまりきらびやかなものが駅前にあると鳥海山の美しさが目にはいらなくなるので、駅前広場はシンプルなほうがいいと思った。駅舎の2階から鳥海山がよく見えるかどうか不安だったが、倉庫などが解体されて鳥海山が見えてきたときはうれしかった」と語るのは企画商工観光課の泉谷健一さん。駅前整備後は人の流れが変わったという。「待ち合わせの場所に使われることが多くなり、下校の小学生や高校生が駅舎で宿題をやっている姿が増えました。減少傾向だった利用客もキップ乗客が増え、駅の職員にも、単なる輸送の施設から観光センターという意識が出てきています」。
町民が望むふるさとの顔がここに生まれたのです。
商品DATA
シェルター:クレフヤードFXA型短期積雪タイプ、クレフヤードCXA型、サイクルキーパー
サイン:マーベックアークス、バス停サイン(特注)、擬木案内板(特注)
擬石ベンチ:GB−403T、GB−201T
公園資材:自然浴さんぽ路
車止め:スペースガードS114型、おもしろタウンTK−11型
自然浴さんぽ路は、年齢を問わず人気
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P42
新宿御苑(東京都)
初夏の新宿御苑。特注色にした柵のシックな色合いが、中ノ池を覆い尽くすスイレンや深々とした木々の緑にマッチしています。視界を遮らないよう、通常のパネル幅より狭くし、高さも低めにしています
木製の柵が牧歌的な雰囲気をつくります
バラの花に合う木の質感
人にやさしい木のぬくもり
 58.7ヘクタールの広大な敷地の新宿御苑は、ニューヨークのセントラルパークのように大都会のなかにある憩いの場所です。
 新宿御苑が誕生したのは明治39年のことですが、そこにいたる歴史をひもとくと、明治政府が、信州高遠藩主内藤氏の江戸屋敷があったこの地を内藤家から上納され、それに隣地を合わせた58.7ヘクタールの敷地に近代農業振興を目的に「内藤新宿試験場」を設置したのが明治5年。その後明治12年には宮内庁所管の「新宿植物御苑」として新しいスタートをきりました。新宿植物御苑時代は、現在の日本庭園を中心に鴨池、養魚池、動物園(大正15年に上野動物園に下賜される)が造られ、皇室の御料地として運営されました。そして昭和24年5月に国民公園と
して一般に公開され、明治神宮とならぶ「緑のヘソ」として都民に親しまれる現在の公園となりました。
 プラタナス、ヒマラヤシーダー、ラクウショウなどの巨木や芝生広場の大きなユリノキは重厚でのびやかな風景をつくっています。また、春には1,500本の桜が咲き、花見の名所の一つになっています。
 近年の来園者は年間平均90万人。園内には大きな池が5つありますが、小さな子どもたちの来園も多いことから、安全性が確保でき、なおかつ修景を損ねない柵への取替えが望まれました。今回の工事では、大木戸門入口から温室前を通り旧洋館御休所までの約223メートル、さらに睡蓮池と中ノ池の周囲約760メートルに「楽樹DN型」を設置。以前は冷たいネットフェンスだった温室前も、
木製柵にバラなどの植物がからんで暖かい表情をつくり出しています。池の周りも高さを抑えた低めのフェンスが視界を遮らず、人々の安全を保っています。
楽樹DN型(特注色)
芝生や巨木のゆったりとした風景になじんでいます
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P44
湖を眺めながら家族でリフレッシュ
足湯でリラックス
諏訪湖畔公園(長野県)
公園資材:自然浴さんぽ路
手すり:サポートレール1型
サイン:クルーゼAタイプ、クルーゼCタイプ
和泉かつらぎ山(和歌山県)
自然浴さんぽ路
いつもの散歩コースに足裏マッサージのひとときを
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P45
大島ダム(愛知県)
擬木展望台(特注)
ベンチ:C-3型
山の上から町を眺める。温かな雰囲気の展望台
秋葉公園(和歌山県)
擬木展望台(特注)
擬木四阿(特注)
雄大なダムの景色を眺める展望台は、公園のアクセントとなる
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P46
市立赤十字公園(東京都)
サポートレール2型
木漏れ日のなかの散歩をサポートする安心の手すり。木粉を配合した樹脂の手触りがやさしい 丸みを帯びたコーナーブラケット(現在はビームと同系色で用意しています)
新しくできた西新宿の地下道。車椅子利用者やお年寄りが快適に通行できるよう、すべての通路につけられた手すり
ワンデーストリート(東京都)
サポートレール1型
大山海岸(沖縄県)
PSE-Tハンドレール付
車椅子でも海にアプローチできるよう、ハンドレールつきの軽やかな柵
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支柱には、ゴミ焼却灰と墓石廃材の2種のリサイクル材を配合し、明るくテクスチャーのある表情を実現。ステンレスと組み合わせることでシャープなイメージが生まれます
JR海南駅西広場(和歌山県)
歩行者自転車用柵:ユニット
レール4型擬石タイプ
車止め:GK-405T
やさか
弥栄ダム公園(山口県)
エコロウッド柵
廃プラスチックを加工したエコロウッド柵は、軽量で施工性がよく、水にも強く、紫外線による劣化がほとんどありません。また、自然環境や人体への影響を考えて、防腐剤等の薬品は一切使用していません
 
湯の端公園(熊本県)
案内板
(特注ユニバーサル対応)
車椅子利用者や子どもたちにも見やすく楽しめる案内板 天然の湯が湧き出る山鹿温泉街の公園
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