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左派であるベルトラン・ドラノエ(Bertrand DELANOE)がパリ市長に就任した2001年3月以来、パリ市ではさまざまな変化が起こっている。バスの定時運行を実施するためのバス・タクシー専用路線の整備、クリーンなイメージを与えるための犬の排泄物処理の徹底など、市民生活を快適にする政策のほか、さまざまなイベントも行われている。その一つに、Nuit
Blanche(ヌイ・ブランシュ。「nuit」は夜、「blanche」は白の意味)、「白夜」がある。 「白夜」は、「普段は芸術に触れる機会の少ない人も含めて、 |
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すべての人に芸術に触れてもらいたい」というドラノエ市長の想いから企画されたアートイベントで、10月上旬の土曜の夜から日曜の朝にかけて、パリ中のモニュメントを使って街全体を現代アートの作品に仕立てあげるという試みである。
2002年に行われた第1回は、パリ市庁舎などの建物がライトアップされ、国立図書館の壁面を大画面として映像が映し出された以外は、区役所などで古い映画が無料で上映されたり、ルーブル美術館やエッフェル塔、カタコンベ(昔の墓場)といった通常の観光施設やプールなど市の施設が朝まで |
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無料で開放されるといった内容で、アートイベントというよりはむしろパリの夜を満喫するためのイベントという要素が強かった。にもかかわらず、当初の予想よりも大勢の人がパリの夜に繰り出し、どの施設も長蛇の列となった。2、3時間待つことは当たり前で、どこにも入れなかった人も多かった。その反省から、2003年はより多くの人が楽しめるように、オープンな広い場所で開催することが試みられるとともに、企画内容もより芸術的なものとなった。
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