情報誌「ネルシス」 vol.9 2008

P-38 色に着目し、さらにやさしさを増したサポートレールUD〈カラーUDタイプ〉誕生
P-46 Project File[プロジェクトファイル]

P44-45
目次
エクステリアの屋外展示場「KAP」グランドオープン
約2000m2のスペースに、4つの風景をゾーンとして再現。規格商品だけでなく、特注商品や未来型商品を展示して、カタログだけでは伝えきれない商品の実際の使われ方や空間の設計例を表現しています
信州駒ヶ根にあるTOEXの体験型屋外展示場KAP(環境アメニティプラザ)が2008年秋、グランドオープンしました。新しく完成した「ひとの風景」では、TOEXが積極的に取り組んでいるユニバーサルデザイン(=UD)を実体験していただけるコーナーを用意。新商品のサポートレールUD〈カラーUDタイプ〉も展示しています。雄大な自然のなかで、人にやさしいエクステリアをぜひ体感してください。

「ひとの風景」は、サインに表示したUDポイントをクイズ形式で探したり、カラーUDとは何かを学んだり、実際に体を動かして体験するコーナーです
手すりのカラーUD体験コーナーでは、手すりの色と背景色の組み合わせにより、見やすい手すりを体験できます。まちなかにある手すりは頼りになる存在であることが大切です
「そらの風景」では、TOEXの企業理念である「自然浴(しぜんよく)」や、環境エクステリア営業部の指針である「ネルシス」をテーマに、駒ヶ根の山々を仰ぎ見ながら散策できる空間をつくりました

駒ヶ根の魅力とTOEX商品の可能性を引き出した屋外展示場

高橋恵一氏 三井共同建設コンサルタント株式会社 環境事業部 チームリーダー
KAPは商品の展示場であり、そこで商品の可能性を引き出すことは、TOEXというメーカーにとって欠かせません。一方で、その土地の魅力を引き出す「可能性」ということも大切です。これからの世の中、土地のもつ風景の特徴や成り立ちをベースとしたデザインが欠かせなくなっています。
 そこで、駒ヶ根の豊かな自然の風景と、TOEXの商品が実際に置かれる場所という2つの側面を表現するために「みちの風景」「まちの風景」「そらの風景」「ひとの風景」など風景のゾーニングを設定し、商品のあり方や使い勝手をシミュレーションできるようにしました。例えば、まちに設置する手すりや柵は、どういう商品が適しているかをその風景のなかで感じ取っていただけるよう、具体的な場所をつくり、商品の可能性を引き出す工夫をしています。
 また、少し歩くだけで異なるシチュエーションでの商品のあり方を比較することができます。KAPの設計に際しては、TOEX商品に限らずメーカーの垣根を越えて、これからの外構商品のあるべき姿を見学者に意識してもらえる場所づくりを目指し、できあがった空間です。景観と商品との関係の重要性を提案することで、ファニチャーを活用した美しく、やさしい空間が生まれてくるのではないでしょうか。
 そして駒ヶ根の風景の魅力を生かすため、実は「和」の配置を取り入れて設計しています。商品をひとつ置いては、バランスを取りながら次を置く。左右対称など、本来西洋的な配置が似合いそうな商品群でしたが、そのほうが自然で美しく風景に溶け込むようで、風景そのものの開放感にも貢献しているようです。
 見学の際は、商品の使い勝手だけでなく、借景としての背景とのなじみも一緒にご覧になり、駒ヶ根の風景とファニチャーとの取り合いを感じ取っていただきたいですね。
*KAPの見学をご希望の方は、最寄りの支店・営業所、またはホームページにて承ります。
KAP 〒399-4393 長野県上伊那郡宮田村1972
【アクセス】JR飯田線駒ヶ根駅、または中央道駒ヶ根ICから車で約10分

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